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認知症ドキュメンタリー映画「毎日がアルツハイマー」自主上映会を開催します。

こんにちは、ホイちゃんです。(前回の投稿を読むと、更新停滞を反省!と書いていますが、そこからまた停滞、半年が経ちました。切腹モノですけれども、淡々と更新再開しますよ~)

さて、タイトルにあるとおり、映画の自主上映イベントを開催します!(←告知です!w)いきなり何事!?という感じですね。
というのも、グッドHomeチームでは、過去何度かLGBT×老後というテーマで、イベントを開催してきました。そこでのツッコミとして、
「LGBT当事者同士で語り合うのも楽しいけど、自分達の老後のイメージがイマイチ湧かない」
「実際の具体的な“老後”を目の当たりにしないと、議論が深まらない」
といったお言葉を頂いています。

実際のところ、僕も医療や地域包括ケアのコンサルをやっているものの、実際の医療者や施設スタッフほどにはリアルな現場と日々向かい合っているわけではありません(まだ両親もピンピンしていて家族介護当事者でもないですし・・・)。実際に様々な高齢者の方々へのインタビューをしつつ、そのリアルとガチンコで対峙していないもどかしさをいつも感じていました。ましてや、医療介護以外のお仕事をされている方にとっては、老後をリアルに感じることは困難なはずです。

一案としては、介護施設等を見学に行く、ということもありますが(実は僕も来月、ゲイの友達と、知り合いがやっている小規模多機能という施設にボランティアに行きます)、なかなかグッドのイベントとして企画するのは難しい・・・

ということで今回企画したのが、この映画の自主上映会です。映画というのは、他者の人生を追体験するもの。映画を通じて老後を目の当たりにすることで、自分達の老い方、ケアの在り方を、考えるキッカケを掴んでみよう、というわけです。(なので、映画視聴後は、おなじみのグループワークもやります。この映画+WSという形式は、今後も継続して展開していきたいと思っています)

さて、今回第1弾となる自主上映会で取り上げるのは、今回上映する作品は、関口祐加監督の「毎日がアルツハイマー」 という映画です。(公式Web→http://www.maiaru.com/
アルツハイマー病(認知症の約半数を占める、もっとも代表的な認知症です)の診断を受けた母親の生活を記録したドキュメンタリー映画で、徐々に認知症が進行する母親と、監督である娘、そして夫や息子との関係を、軽妙なタッチで描いた作品です。

皆さんは認知症と聞いて、どんなイメージを持ちますか?私の父方の祖父は、アルツハイマー型認知症でしたが、父親が葬式での挨拶の原稿で、「祖父は痴呆症でした」と書いていて、慌てて「最近は痴呆症とは言わずに認知症って言うんだよ!!」と修正させたのも、もう5年くらい前になります。普通の人にとっては、まだボケ老人とか痴呆症といったイメージが強いのかもしれません。とはいえ、この10年で大分理解が浸透してきた疾患ではあると思います。今年も、ジュリアン・ムーアがオスカーに輝いた「アリスのままで」という映画がありましたね(これは若年性アルツハイマー病を描いた映画でした)。認知症が社会の表舞台にいよいよあらわれてきた感じです。

痴呆っていうと、やはり侮蔑的なニュアンスがありますよね。だからダメということになった。でも、ついこないだまで、みんな使っていたし、そこになんの疑問もなかった。今だって、「認知症になったら煮ても焼いても好きにしてくれ」的な言説は、普通に皆さん使われます。「ボケたらオシマイ」的な発想。
要するに、これまでは「あちら側の存在」だったんですよね。ボケたら自分達の世界の外側にいってしまう、という感覚。日本には沢山精神病床があって、認知症の患者さんの多くもそこに入院しています。一言でいえば、隔離されてきた。欧米では、早くから精神病床を削減して、特に認知症は病床ではなく、地域で見守る。普通に家や施設、地域で暮らし、それをサポートする社会資源を充実させる。この欧米の方向性は、認知症患者の社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)と言ったりしますが、日本も欧米に遅れて、ようやく認知症を地域でどう見ていくのか、という社会をつくる、という方向へと舵を切っているわけです(日本は欧米よりも認知症患者が多いので、より大変なのですが・・・)。

これってLGBTの問題とも相似形ですよね。2015年は、LGBTはこちら側の世界の問題じゃね?とノンケの方々が思い知った年だったわけです。だから、この方向性を考える際、認知症の社会的包摂がどう進展していったのか、を参照することはとても意味のあることのように感じます。もちろんそれは、社会制度的な理解だけではく、「わたしが、あなたが、認知症をどう受け入れるか」ということを、一人ひとりが個人レベルでシミュレートすることが重要である、ということを同時に意味します。

だから、「毎日がアルツハイマー」という映画を、LGBTの老後という視点で見る、そして「自分達が誰とどう老いるのか」というグループディスカッションのテーマでさらに掘り下げてみる、ということは、とても面白いのではないか、なんて思っています。

なんだか小難しく書いてしまいましたが、これは裏テーマで、こんなハードルを上げてしまうと誰も来ない気がします!!!(←恐怖!!ww)
なので認知症ってそもそも何なの?という人のご来場大歓迎で、専門用語一切禁止のグループトークでございます。映画単体で非常に面白い、感動する内容です。この映画を呼び水にして、自分の老後、どう老いていくのか、誰と老いていくのか、そういった問題系に漠然と関心をお持ちの、多くのLGBT&アライの皆さんの応募をお待ちしております。みんなでじっくり語り合って、一人でも多く友達を作って、2次会で飲みましょう笑!!

会場は地下鉄根津駅からすぐ、「不忍通りふれあい館」地下1階ホール(文京区根津2-20-7)です。とっても素敵な会場で、グループワークにもピッタリです。
ご覧いただけるのは先着30名となっておりますので、連休ど真ん中の日曜日の日中まるまるですが、是非是非、ご参加くださいまし!(下記の申し込みフォームからネットでご予約ください。ご案内を返信いたします)

===イベント概要===

LGBT×老後 ~誰と、どう、老いるのか~「毎日がアルツハイマー」上映会+交流WSイベント
主催 「毎日がアルツハイマー」上映会
後援 認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ(Homeチーム)

開催日 :2015年11月22日(日)
時間  :13時30分上映開始(13時15分開場)
~17時終了(映画上映後、休憩をはさんでWSを行います)※完全撤収
場所  :不忍通りふれあい館 地下1階ホール(文京区根津2-20-7)
http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/kumin/shukai/shinobazu.html
募集人数:30人(先着順)
参加費  :1,000円
※終了後、会場周辺のお店で2次会(交流会)を開催します。

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