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《渋谷区条例のグッドデザイン賞受賞に関する経緯について》
この度は「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」のグッドデザイン賞受賞に関して、みなさまにご迷惑をおかけすることとなってしまい、大変申し訳ありませんでした。また、経緯のご報告が、このように遅くなってしまったことをお詫び申し上げます。
2015年9月29日、グッドデザイン賞2015年度に、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」が選ばれ、その事業主体並びに受賞企業として、私が代表を務める認定NPO法人グッド・エイジング・エールズと株式会社ニューキャンバス(代表:杉山文野)が共同運営する「カラフルステーション」が登録されることとなりました。
本文末尾に転載しております杉山文野氏からの報告は、杉山氏とグッド・エイジング・エールズのメンバーとともに確認をした本件の経緯となります。
今回の件については、まず、杉山氏から「渋谷区は自ら応募はしないから、任意の団体としてカラフルステーションの名前で自分で応募したい」という相談を私が受けました。その際に、私が賞の応募の仕組みや経緯をきちんと確認せず、「応募者はあくまで事務手続きを行うだけで、受賞は条例そのものがするもの」という間違った認識をもっていたため、独断で安易に了解をしてしまいました。その責任は非常に重いと感じています。
また、さまざまな方の努力や尽力で成立した大切な条例であるのに、今回のことで関係各所の方々やLGBT関連のコミュニティの方々などのお気持ちを傷つけ、疑念を生じさせる結果となってしまったことを、本当に心から深く反省しています。
私自身もみなさまと同様に、受賞に値するのは渋谷区議会・渋谷区が議決・制定した条例そのものであり、その事業主体も受賞企業(主体)も絶対に個人やひとつの任意の団体であるべきではないと思っています。その強い思いを杉山氏とも、グッド・エイジング・エールズのメンバーとも共有し、グッドデザイン賞の事務局に杉山氏を通して、伝えていただきました。(現時点で、事業主体と受賞企業は、渋谷区に変わっています。)
グッド・エイジング・エールズは、LGBTも含めたすべての人が自分らしく生きることができる場づくりをめざすNPOであり、政治活動に参画することはございません。また、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に対して様々な意見があるため、私自身はグッド・エイジング・エールズの代表としてではなく渋谷区に暮らす当事者一個人として、これまでその成立を応援してきました。また、直近の施行も楽しみにしています。だからこそ、今回の顛末に関しては、悔やんでも悔やみきれません。みなさまからのご意見やご指導を真摯に受け止め、自分にできることに取り組んで行きたいと思います。
また、今回の件に関して、LGBT関連のコミュニティの様々な方から、私自身が見逃していたり、気づいていなかったり、知らなかったりした情報や視点を頂きました。みなさまに御礼をお伝えするとともに、今後の私の活動においても、引き続きご指導を賜ることができれば幸いです。
最後に、改めまして今回の件で不快な思いをされたみなさま、ご迷惑をおかけしてしまいましたみなさま、大変申し訳ありませんでした。
さらには、LGBTといろんな人が気軽に集える場を目指し立ち上げたカラフルステーションをご支援頂いている方々、ご利用頂いている方々、温かい関係を築いてくださっている神宮前二丁目の方々、2010年以降、グッド・エイジング・エールズを支えてくださっている方々、そしてグッド・エイジング・エールズの新旧メンバーのみなさんを失望させ、ご心配をかける結果を生んでしまったことを、この場を借りて心からお詫び申し上げます。
2015年10月3日
認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ
代表 松中 権
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以下、杉山文野氏からの報告を転載させて頂きます。
【「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」グッドデザイン賞受賞の経緯につきまして】
改めまして今回のグッドデザイン賞の件ではお騒がせをしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
決して個人や団体のためにやったわけではありませんが、そう捉えられる形になってしまったことに、私自身の大きな責任を感じております。関係者や日頃から応援してくださっている皆様には多大なるご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございませんでした。
ことの経緯は、この条例をより多くの方に知っていただきたいという僕の強い思いからでした。
グッドデザインの審査員でもあり、以前からアライとして活動を支援してくださっていた方から「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」をグッドデザイン賞に推薦したいとのご連絡をいただいたものの、渋谷区としてはこの賞に応募をすることはないとのことだったので、私が賞の応募者となることを自ら買って出たのが始まりです。
その際に「応募者」が「受賞者」になるという認識が全くなかったことがそもそもの誤りでした。私自身が応募システムを十分に理解しておらず、あくまでも賞の対象は条例のみであると誤解をしていたため、応募者の登録の際、実際にこの条例に関係する活動実績のある団体としての名前が必要となっていたために「カラフルステーション」という名前を記入しました。
また、基本的には有形物のデザインを想定した応募フォーマットとなっており、プロデューサー/ディレクター/デザイナーといった項目を形式的に埋めなければならないとのことでしたので、イメージ画像に写っていた渋谷区民と渋谷区の事業者である5名の名前を記入した次第です。さらに、「カラフルステーション」は自身が経営する株式会社ニューキャンバスと認定NPO法人グッドエイジングエールズの共同運営であるにも関わらず、グッドエイジングエールズ側に十分な説明・確認を取らないまま「カラフルステーション」という名前を使用してしまいました。個人名を載せた他4名についても同じくです。
今回の受賞の発表を受けて、初めて「応募者」が「受賞者」になるという事実と共に自分の落ち度に気付きました。あたかも杉山/松中などといった個人や、カラフルステーションといった一団体が受賞したかのようになってしまっていたことはまったく本意ではなかったため、その旨をグッドデザイン事務局にお伝えしたところ、昨日の夜になって事業主体並びに受賞企業が「渋谷区」に変更となりました。
なお、皆様からご指摘のあった費用の件ですが、グッドデザイン賞は審査の前後で費用が発生します。二次審査料29,700円(←審査員推薦のため一次審査は免除)に関しては、既に私個人で支払済であり、事業主体名や受賞企業名は変更となりましたが、自ら賞の応募を買って出た経緯もあり、今後返金等の金銭のやりとりをどことも一切するつもりはございません。
他にも皆様からのご指摘はそれぞれごもっともであり、自覚の不足と責任管理の甘さを猛省しております。
本件の関係者の皆様はもとより,全国でさまざまな取り組みをされている当事者・支援者の皆様に対しても,本当に申し訳ない気持ちです。また、グッドエイジングエールズや他4名の方々を巻込むような形となってしまったことも大変申し訳なく思っております。
まだまだ、様々なご意見やご批判もあると思いますが、そのひとつひとつをしっかりと受け止め、同じような過ちを二度と繰り返さない様、今後も努めてまいりたいと思います。
この度は本当に申し訳ございませんでした。
ご報告が遅くなってしまったことも合わせてこちらにてお詫び申し上げます。どうか今後とも変わらぬご指導のほど宜しくお願い致します。
杉山文野